しゃち
Shachi
ブログに訪問いただきありがとうございます。
1人で過ごすのが大好き、30代の女性です。園芸歴はいつの間にか20年越え。
だけど、ゆるゆるな感じで日々植物を眺めています。
このブログでは経験をもとに、植物栽培を始めたいという方の力になりたいと書いています。
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この記事は、 こんな方に向けて書いています
しゃち Shachi
▼1人でのんびり過ごすのが好きな30代女性
▼好奇心旺盛で色々挑戦する中、栽培歴が20年を超えているという事実が発覚。
日々ゆるゆると植物を育てている経験をもとに、みどりがある暮らしを楽しむアイディアをお伝えしています。
しゃち Shachi
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しゃちです。ブログにご訪問いただきありがとうございます。
ハオルチアを適切な環境で栽培していると、春になってお花が咲くようになります。
そして花が咲いたら是非挑戦してみてほしいことがあります。
それはオリジナル苗の作出、つまり品種交配です。
えぇー!なんか難しそう……。
実は意外と簡単にできてしまいます。
今回は品種交配の方法とどのように種が出来ていくかまでの過程をご紹介します。
そもそもハオルチアってどんな植物?と初めて知った方はこちらの記事もどうぞ。
他のハオルチアに関する情報はこちらから確認できます。
ハオルチアのオリジナル苗を作るためには品種交配を行います。
そこで、何種類か苗を持っておくと挑戦する機会が増えます。
理由は2苗がほぼ同時期に開花しないと行うことができないからです。
じゃあ2品種だけ持っていればいいんじゃないの?
それが、ちょうど開花時期が合えばいいのですが……。
実は、苗や品種によって蕾が上がってから開花するまでにかなり差があったりするのです。
そのため、品種交配にチャレンジした場合は、何種類かハオルチアを栽培しておくことをおすすめします。
お花が2苗以上開花してきたらそのタイミングで是非オリジナル苗の作出に挑戦してみましょう。
追記:どうやら花粉を冷凍保存すれば同時開花じゃなくても交配作業ができるようです。
ただ、私が挑戦したことがまだないので、上記のように記載しています。
今後挑戦して成功したらまた記事にしたいと思います。
ハオルチアは自家受粉もできるはできるらしいです。
自家受粉
…同じ苗のめしべとおしべを受粉させること
しかし、確率はかなり低いという話を聞いたことがあります。
私も何度もハオルチアの開花を見てきましたが、自家受粉したのは1度しか記憶にありません。
それに、同じ品種を増やしたかったら子株が出るまで待ったり葉挿ししたりすればいいものね。
葉挿し
…もいだ葉から発芽と発根をさせ、もいだ葉と同じ苗をつくり出すための作業
品種交配は、ハオルチアの花が咲いている時期に行うことができます。
私の育てている子はおよそ4月中旬~5月にかけて花が咲き始めます。
経験上、だいたい全体的に蕾が上がり始めるのが3月下旬、一番早い子は4月中旬に開花することが多いです。
開花するまでの期間が長いので、見逃さないように日ごろから観察するようにしておきましょう。
ハオルチアのお花はこんな感じです。
では、さっそく品種交配にするために必要な道具を紹介します。
※すぐに品種交配の手順を知りたい方はこちらをタップしてください。
揃えるものは多くないので始めやすいですね。
今回一番重要な道具、それがピンセットです。
花びらを取り除いたり、受粉させる際におしべを掴んだりします。
細かい作業が多いので、できる限り先端が細くて厚みが薄いものを選ぶといいでしょう。
きれいな受け皿など、机が汚れないようにするために何か敷くものを用意しましょう。
私は特にこだわりが無いのでティッシュを敷いています。
作業が終わった後、そのまま机を拭けるしね。
どの品種で交配をしたかを書いて花茎に貼るために使用します。
専用のラベルテープがあればそれでもいいのですが、私は持っていないのでメンディングテープで代用しています。
品種の交配式(母親株と父親株が誰かを記した式)を書くために用意します。
メモ帳でもコピー用紙でも何でも大丈夫ですが、シンプルに白が一番読みやすいと思います。
採取したおしべを置いておくために何か平らでつるつるしたものを用意しておきましょう。
私はクリアファイルを1枚用意しています。
ピンセットについた花粉を拭きとったり、掃除をするために用意しましょう。
竹串や、つまようじなど先が細くなっている棒を用意しておきましょう。
ピンセットで雄しべを採取した際、ピンセットだけだとなかなか外れてくれないためです。
そのため、細い棒を使って雄しべを外します。
作業する場所は部屋の中など風が無い場所にしましょう。
なぜなら、品種交配は細かい作業が多い上におしべはとても小さいからです。
少しでも風が吹いたらどこかへ飛んで行ってしまいます。
もし飛んで行ってしまったらすごく悲しいね……。
多分風で飛んで行ってしまったら、なかなか見つからないでしょうね。
私はいつも窓を閉めて机の上で作業をしています。
では、ハオルチアの品種交配の手順です。
以下の2パートに分けて説明します。
まずは、開花している苗を見つけましょう。
今回は下の2品種で交配します。
ダビディー
ブラックベルディアナ
品種交配に使用するお花ですが、私はいつも2-3日前に咲いた花を優先して交配に使うことが多いです。
理由としては、開花したばかりのお花よりも花粉がしっかり成熟しているようです。
矢印のお花がだいたい2-3日前に咲いたものです。
しかし、私の経験からすると、開花日数に関わらず咲いているお花はすべて交配に使った方がいいと思います。
そうなの?
これは私の経験からのお話ですが、いざ交配作業をしても成功する確率がかなり低いのです。
そして、成功した花は必ずしも2-3日前に開花したお花とも限りませんでした。
そのため、当日咲いたお花でも、4日以前に咲いたお花でも、作業時点で咲いているものはすべて交配してしまうことをおすすめします。
まず、母親にする株(めしべを使う株)から作業を始めます。
母親にする株は、基本交配したい品種から選んでいただければ大丈夫です。
しかし、種を作るというのはかなり体力を使います。
そのため、比較的大きい株や栽培年数が経っている株を優先的に母親にすると成功する確率が高くなると感じています。
受粉に使う花の花びらをピンセットを使い取り除きます。
まず花びらの先端を掴み外へ広げて、
次に花びらの根元を掴んで引っ張ります。
取り除いた花びらはごみ箱に捨てるかどこかに避けておきます。
全て花びらを取り除いたところ。できるだけきれいに除去しましょう。
次におしべを取り除きます。
雄しべは黄色いぽんぽん(花粉)がついているものがそうです。
これが雄しべです。
何本かあるので全てピンセットで取り外します。
取り外したおしべはいったんクリアファイルなどつるつるした物の上に置いておきます。
できるだけ根元を掴んで優しく引っ張りましょう。
全て取り外すとめしべが現れます。
これがめしべです。頭に飾り付けてるみたいで可愛いですね。
母親株の準備はこれで完了です。
今度は父親にする株(おしべを使う株)を作業を始めます。
母親株と同様に、花びらをピンセットを使い取り除きます。
やり方は母親株の時と同じです。
花びらを外した時に花粉が飛び散ることがあります。
恐らくですが、その方がちゃんと花粉が出ている証拠なので受粉に適していると思います。
花びらを取り除きました。
次におしべを取り外します。
こちらも母親株とすることは同じですが、1本はピンセットに挟んだまま持っておきましょう。
それ以外はつるつるした物の上に一旦置きます。
こちらも根元から外しましょう。
外したらそのままピンセットの先端で挟んだままにしましょう。
父親株のめしべも後で別の交配に使用することをおすすめします。
いよいよ受粉作業を行います。
ピンセットで摘まんでいる”おしべのきいろいぽんぽん(花粉)”を”めしべの白いてっぺんの飾り”にくっつけます。
赤丸で囲んだ部分同士をくっつけます。
何度もぽんぽんとこすり合わせるように優しく、でも「これでもかー!!」というくらい花粉を付けてあげましょう。
そして花粉は雄しべ1本だけでなく、あと2-3本取り外して花粉を付けると受粉率がアップすると個人的に思っています。
これでもかー!!
受粉作業の様子を動画にしましたので参考にしてみてください。
初めてブログ用に動画撮影をしたので、非常に見づらくなっています。
(花粉をどこにつけているのかとたくさんつけているというのが伝わればOKです……!)
受粉作業が終わったらどの品種同士を交配させたかを忘れないうちにラベルに書いてつけておきます。
品種交配をした時は、母親株の名前を先に書き、後ろに父親株の名前を書くルールになっています。
そのため、今回説明で行ったかけ合わせだと以下の交配式になります。
ブラックベルディアナ × ダビディー
このルールを覚えておけば他の方のオリジナル苗も、母親が誰で父親が誰かすぐわかるようになります。
沢山品種交配をする方は品種交配用の園芸ラベルを購入してもいいと思います。
しかし、趣味で数鉢程度しか育ててないのにラベル買っても持て余してしまいますよね。
そのため、代用できるものはないかと探し回った結果、今はメンディングテープに交配式を書いた紙を張り付ける形で落ち着いています。
1つの花茎で別の品種交配をする場合、それぞれ何をかけ合わせたかをわかるようにしておきましょう。
下の写真はブラックベルディアナの花茎です。
1つの花茎にダビディーとテネラの雄しべを作業に使っています。
こういう時は、写真のように交配が変わるところで目印を付けるとわかりやすいです。
1株から何本か花茎が伸びている場合は、花茎ごとに交配式を決めてしまうのもおすすめです。
お疲れさまでした、以上で作業は完了です。
この後は、あまり雨が当たらない場所で管理をしましょう。
せっかく付けた花粉が流れてしまったり、めしべに雨粒が当たって取れてしまう可能性があるからです。
ラベルも今回は耐水性がある物ではないため、その点でも濡れるのを避けておきます。
それ以外はいつも通り管理しながら無事受粉が成功したかを確認しつつ見守りましょう。
品種交配の作業自体はSTEP8で完了しました。
しかし、まだブラックベルディアナのおしべとダビディーのめしべが残っているはずです。
そういえば、まだ使っていないおしべはクリアファイルの上にあるよ。
こちらは、他の品種と掛け合わせるのに使用してもいいですし、特に予定が無ければもったいないので母親株と父親株を入れ替えて交配作業を行うのがいいと思います。
その分、種ができる確率は単純に倍になりますので。
今回は、テネラという品種も同時に咲いていました。
そのため、以下の交配式でも上記説明と同じ作業をしました。
品種交配作業で種を作るための準備が出来ました。
ここからは、種ができるまでの様子と必要な作業を記載しています。
どのくらいで受粉の成功失敗がわかるのか、種ができるのかの参考になれば幸いです。
作業から1週間で結果が出始めました。
受粉しなかった雌しべは黄色くなり、しぼんできました。
左が受粉が失敗しためしべ。右が成功している可能性があるめしべ。
こちらも受粉しなかっためしべ
あんなに「これでもかー!」と花粉付けたのに……。
悲しいですけど、あまり落ち込まないようにしましょう。
受粉は品種同士の相性もありますし、種ができる確率も100%では無いです。
まだ花が咲いているようならもう一度チャレンジしてみましょう!
受粉に失敗しためしべは完全に枯れ、受粉に成功しためしべはぷっくりと膨らみ始めました!
やったー!
今回成功したのは3つでした。
ここで、受粉が成功したと確定したらやってほしい作業があります。
それは、めしべにネットをかけることです。
え?ネットをかけないとどうなるの?
こうなります。
上の写真は、過去に受粉しためしべをそのまま放置していたものです。
ハオルチアのめしべは、ある日突然開き種がはじけ飛びます。
すると、何も受け止めるものが無いのでどこへ飛んでしまったかわからなくなってしまうのです。
そ、それは恐ろしい……。
地面が砂利だったりしたら発芽してくれない限りは見つからないでしょうね。
この時は探してみましたが、果たしてこれが種なのか石の粒なのか。
めしべにかけるネットを用意します。
私はいつも水切りネット(浅型)のストッキングタイプを使用しています。
日常生活でも排水溝に使えるので無駄な買い物にならないです。
やわらかいから植物も傷つけなそうだし、被せても観察しやすいね。
そこの繋がっている部分を切り取り、筒状にします。
水切りネットの口を広げて、めしべに被せます。
この時、できる限り口を広げてめしべに当たらないようにしましょう。
乱暴にやって、めしべが取れたら悲しすぎるので……。
交配式が違うめしべが同じ花茎にある場合は、それぞれにネットを被せるようにします。
(同じ空間にすると、種が混ざってわからなくなる)
無事被せることが出来ました。
種が出てきた時に零れないよう、両口をテープで閉じます。
私はメンディングテープを使っています。
ポイントとしては、以下の点に気を付けましょう。
閉じているところ。何周もして花茎がつぶれない程度にしっかり口を閉じましょう。
反対側も同じように閉じます。
できました。
ネットを巻いたら、残っているお花はもうカットしてしまいましょう。
理由は、余計なエネルギーを使わせないためです。
もし、まだ交配をする予定があるなら残しておいても大丈夫です。
カットしたら、種ができるまで見守りましょう。
ついにめしべが割れて種が出てきました!
ここまでくると、かなり水分が抜けてめしべの色も茶色になってきています。
やったー種できたー!早速集めよう!
ちょっと待ってください!まだ回収しないでおきましょう。
え?
実は、このときはまだ、めしべは完全にカラカラになったわけでは無く、緑色が残っています。
ハオルチアの種は完全に乾燥させてから収穫した方がいいとされています。
そのため、あと2週間~1ヵ月ほど放置しておいた方が安全でしょう。
更に期間を置いたら、もう一度様子を確認してみます。
今回は、めしべが完全に茶色くなり、カラカラに枯れていました。
ここまで来たらようやく収穫します。
やはり種が零れています。ネットがあってよかったと思える瞬間ですね。
花茎を適当なところでカットします。
本体に残った花茎も、カラカラに枯れ次第、引っ張れば抜けます。
カットしました。風がない所まで持っていきます。
複数の交配式がある場合、それぞれ切り分けます。
収穫作業は一気に行わず、ひとつずつするようにしましょう。
手違いで混ざらないようにするためだね。
いよいよ収穫作業です!
ネットの口を種が飛ばないようにそっと開き、種を回収しましょう。
ネットに零れた分もちゃんと集めましょう。
めしべのなかにも詰まってることがあります。これもちゃんと出しましょう。
今回、数は以下の通り収穫出来ました。
ブラックベルディアナ × テネラは2つ受粉が成功しています。
そのため、ハオルチアの種はめしべ1つにつき約10個前後が目安になるかと思います。
ハオルチアの種はこのような姿をしています。
サイズは約3mmですね。
アップで見ると、表面がぼこぼこしています。
ハオルチアの種を保存します。
播種時期は”最低気温が18℃に保てる時期”であればいつでもまくことができるそうです。
そのため、時期によってはすぐに蒔いてもいいでしょう。
今回は、初夏の収穫ということもあり、暑さで溶けることを心配しました。
そのため数粒だけ蒔き、残りは保存することにします。
まず、以下のものを用意します。
今回はこちらの乾燥剤を使用します。
中に青い粒が見えるもので、これがピンクになった時にレンジでチンすれば、再び乾燥剤の効果を発揮してくれます。
袋に入れて、空気を抜きながらしっかりと密閉します。
種を入れた袋を冷暗所で保管します。
私は冷蔵庫の野菜室で保存しています。
ここまで品種交配の方法を紹介してきました。
では、品種交配をするメリットは何があるのでしょうか。
私が思うに以下のことが挙げられると思います。
タップで各項目に飛びます。
タイトルでも言っている通り、自分で好きな品種同士をかけ合わせることができるため、オリジナルの苗を作ることができます。
品種名が付いている苗とは違って、自分で作出する苗なので、愛着も一層沸くことでしょう。
人は同じ親から生まれた子供たちでも見た目は当然違いますよね。
ハオルチアも同じ交配式から生まれた子でも、苗ごとに姿が異なる可能性が高いです。
また、同じ親でも交配式が父母逆になるだけでも、特徴の現れ方が違ってくることもあるそうです。
ですから、どんな子が生まれるか、成長したらどうなるのかといった楽しみ方もできるでしょう。
ハオルチアの種ができる様子を観察するのはとてもワクワクするものです。
それは、交配作業をしたから得られる日常です。
ただハオルチアを育てるだけとは違う経験をすることができるでしょう。
今回は、ハオルチアのオリジナル苗を作るためのやり方を解説しました。
一見難しそうに思えますが、いざやってみると簡単に作業を行うことができます。
もしお花が咲いたら是非挑戦してみてくださいね。
それでは、しゃちでした。